文学部文学科英米文学専修

徹底的に英語を学ぶ、深く静かに英語で学ぶ。自己発見から自己表現へ。新しい出会いが、自分を映し出す。

専修の特徴

世界に開かれた学び、自分に開かれた学び
「ロンドンへの赴任が内定しました」と、卒業生から年賀状が届く。「アメリカに留学します」と、3年生が報告に来る。4年生は、卒業論文用の資料を送ってもらうため、シカゴ大学留学中の大学院生へメールを書く。
英米文学の学びは、世界に開かれています。21世紀の世界がどうあるべきか、それに向かって、どういう努力をすればよいかを真剣に探ります。そのための最良の方法は、他者に学ぶこと、先人の智慧に触れること、自分とは違う人たちの考えに接することです。異文化・異言語である英語に学び、さまざまな人間の生き方や考えが感動的に表現される小説・詩・戯曲に触れ、さまざまな評論・エッセイ、また、新聞・雑誌・映画など最新のニュースや情報にまで接するのです。
新しい自分との出会い、新しい自分の創造
英米文学専修生にとって重要なのは、まずは英語で書かれた文学作品との出会いです。自分の母語と異なる英語の文学に接すると、これまで無自覚だった自分たちの言葉や考え方が自覚されます。それは、新しい自分との出会いでもあります。英米文学専修には、文学作品を教材としながら、英語運用能力や自己表現能力、文章作成能力の飛躍的向上を図るように、さまざまな科目があります。ここで学ぶことのすべてが、近い将来だけでなく、長い人生を生き抜くうえでも、大切なことばかりです。
英語を学ぶ、英語で学ぶ
まず、英語を読み、書き、聴き、話すという4つの基本技能を高めるために、1年次で集中的に英語を学ぶ全学共通の英語科目があります。そして、そこで培った技能をさらに伸ばすため、英米文学専修の専門科目群として、2年次から4年次まで、英語にまつわる多様多彩な科目が展開されます。ここではもはや、「英語を学ぶ」のではありません。人生の大切なものを「英語で学ぶ」のです。
多様な科目展開、自由な履修計画
1・2年生向けには英語と英米文学に関する入門及び基礎の演習と講義が充実しています。2年生からは、選択科目である講義科目を学ぶことが可能になり、3・4年生は、演習を中心としつつ、自分の関心と目標にそって、文学、文化、言語など幅広い分野から自由に履修計画を立てます。卒業論文を執筆することは、4年間の大目標のひとつですが、それに相当する単位数の科目を受講し合格すれば、卒業論文の代わりとなります。また、文学部他学科・他専修や他学部科目も履修できます。

在学生からのメッセージ

文学科英米文学専修3年次松本 真依さん 群馬県 高崎女子高等学校出身

文学作品から映画、音楽まで幅広いテーマを柔軟に学ぶ
アメリカ文学を中心に学び、多様なセクシュアリティや人種の在り方を考えています。印象に残っているのは、ポリアモリーという恋愛観。当初は受け入れがたかったのですが、当事者の作品や映像を見てほかの学生と意見交換を行い、徐々に理解が深まっていきました。英語の文献を読み解き、ディスカッションを行う中で培った語学力と、多様性を受け入れる姿勢を将来に活かしたいです。

今のわたしを作る、この一冊。
人種や性を偽ることを指すパッシング。公民権法成立前のアメリカの複雑な人権問題に加え、逸脱的なセクシュアリティの在り方を考えさせられました。
パッシング/流砂にのまれて ネラ・ラーセン 著、鵜殿 えりか 訳
みすず書房/2022年3月発行

卒業生からのメッセージ

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 勤務 浅野 萌奈さん 2020年度文学科英米文学専修卒業

英語を使って勉強すること、文学作品を読んで考察することに興味があり入学しました。修士課程を修了後、法律事務所に就職したのは英語力を活かし、翻訳パラリーガルとして弁護士をサポートしながら働ける点に魅力を感じたからです。現在は主に金融庁へ提出する届出書等の和訳を行っています。自分の得意分野を見つけて活躍できるよう努めているところです。

今のわたしを作る、この一冊。
舞台装置や小道具に対するト書きでの指示に、キャラクターの内面を表現する作者のこだわりを感じ、小説とは違う戯曲ならではの面白さを知りました。
ガラスの動物園 テネシー・ウィリアムズ 著、小田島 雄志 訳
新潮文庫/1988年4月発行

教員からひとこと

古井 義昭教授 [研究テーマ:19世紀アメリカ文学]

英米文学専修には、英語圏の文学・文化に精通した、第一線で活躍している教員が揃っています。そのため、学生のみなさんは学問の最先端に触れ、大いに知的刺激を受けることになるはずです。私自身はもともとイギリスの劇作家シェイクスピアに興味があったのですが、好奇心にしたがっていくうちに、気づいたらアメリカ文学の研究者になっていました。アメリカは「個人主義の国」とよく言われますが、実際にアメリカ文学には個人主義に取り憑かれたような登場人物が多く登場しており、それが他の国の文学にはない魅力的な特徴です。みなさんには、さまざまな授業を通じて好奇心の幅を広げてもらい、本当に興味があること、熱中できることを見つけてほしいと願っています。

今のわたしを作る、この一冊。
まさに「個人」に取り憑かれた主人公が、巨大な鯨に復讐を挑む物語。話の筋は簡単なのですが、世界を丸ごと言葉で捉えようとしたような壮大な作品です。何度読んでも興味がつきません。
白鯨
メルヴィル 作、八木 敏雄 訳
岩波文庫/2004年8月発行

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