出版・著作物紹介

(史学科)出版・著作物紹介

史学科教員が執筆した出版・著作物を紹介します。

2025年

『日本史を宗教で読みなおす』
佐藤雄基(史学科日本史学専修教授)共編著

大西信行氏との共編
2025年6月 山川出版社
立教大学で毎年開催している歴史教育のシンポジウムの書籍化。高等学校の日本史探究教科書の執筆に加わったのがきっかけとなって、歴史教育と歴史学の関係について関心をもつようになりました。この本では、ずばり「学校教育で習う宗教のあり方とは!?」とテーマにしています。アニミズム、神仏習合、鎌倉新仏教、国家神道、キリスト教、景教、イスラム教など、日本史をメインに世界史・公民も含めた教科書記述を取り上げながら、宗教に関する議論の最前線を紹介し、歴史を通じて宗教を捉えなおし、宗教への理解をアップデートできる一冊に仕上げました。立教大学文学部キリスト教学科や学校・社会教育講座の先生方にもご協力・ご執筆いただきました。
『グローバルヒストリーのなかの近代歴史学——歴史を捉え、書き、編む』
小澤実(史学科世界史学専修教授)共編著

小澤実・佐藤雄基共編
2025年5月 東京大学出版会
グローバリゼーションが一層進展し人やものの移動が一層激しく複雑さを増す19世紀以降、それぞれの国家の成り立ちを明らかにするために成立した歴史学という学問が、いかに他国で用いられていた分析概念や比較事例を摂取し、それぞれの国独自の特徴を持つようななったのかを明らかにする論集。立教SFRでの共同研究に端を発するプロジェクトの成果でもある。

2024年

『西洋中世文化事典』
小澤実(史学科世界史学専修教授)編集委員長

2024年11月 丸善出版
西洋中世(500−1500年頃)について、見開き2ページの項目を200人以上の専門家が執筆した読む事典です。かつて、場合によっては今でも「暗黒の時代」と呼ばれる、古代と近代に挟まれたこの1000年間を、グローバルヒストリー・マテリアリティ・ジェンダー研究・アダプテーション研究など最新のアプローチで紹介しています。文学部をはじめ、本学教員も多数執筆しています。
『《日本史の現在》6. 近現代②』
沼尻晃伸(史学科日本史学専修教授)共編著

鈴木淳・山口輝臣・沼尻晃伸編
2024年7月 山川出版社
本書は、『日本史の現在』シリーズ(全6巻)のなかの1冊です。戦時期から戦後に至る日本近現代史を主な対象としています。17のテーマを設定し、テーマごとに高校の日本史探究などの教科書叙述に触れつつ、研究の現状や種々の論点を解説しています。私自身は、「戦後史をどのように時期区分するか」を執筆しました。「一つの歴史事象をとっても、多角的な見方・考え方がある」ということが、それぞれのテーマごとにご理解いただけるのではないかと思います。
『タマリンドの木に集う難民たち——南スーダン紛争後社会の民族誌』
橋本栄莉(史学科超域文化学専修教授)単著

2024年4月 九州大学出版会
「ジュバ虐殺」から10年。虐殺を生き延びた南スーダン、ヌエル社会の人々は、隣国ウガンダで難民としての新たな生を営み始めた。難民とは、果たして私たちがイメージするように、脆弱で支援を求める受動的な犠牲者に過ぎないのだろうか。本書では、太古より遊牧の歴史を歩んできたヌエルの人々が、避難先で新たな秩序をどのように創り出し、他者と生きる方法をどう編み出してゆくのかを報告する。タマリンドの木は、南スーダン各地に伝わる起源神話において、人類の「故郷」や「母」を意味する。難民となったヌエルの人々は、避難先に新たな「タマリンドの木」を見つけ、その木の下で悩み、世界に対する問いを発していた。「難民の世紀」において、私たちは彼らから何を学ぶことができるだろうか。本書では、南スーダンの紛争後社会を生きる人々が持つ、既存の秩序と向き合い、自らの生を生き直す技法を、南スーダンの避難民キャンプとウガンダの難民居住区でのフィールドワークから明らかにする。南スーダン難民の生活や文化・政治活動などを捉えた写真多数収録。
『〈一人前〉と戦後社会——対等を求めて』
沼尻晃伸(史学科日本史学専修教授)共著

禹宗杬・沼尻晃伸共著
2024年3月 岩波書店
21世紀の現状は、非正規雇用の問題や少なくない人がひきこもる問題など、承認をめぐる様々な問題が山積しています。なぜこのような生きづらい社会になってしまっているのでしょうか。過去に遡って歴史を探り、そこから現状を位置付けると、これらの問題はどのように理解することができるのでしょうか。本書は、大正期から現在に至る日本近現代史の約100年間を対象として、人びとが対等を求めた歴史を〈一人前〉というキーワードを用いて描いたものです。「働く場」と「暮らしの場」の二つの視点から叙述を試みました。人びとの側から歴史をみることの奥深さと重要性を感じ取っていただければ幸いです。

2023年

『日本近世史を見通す 5 身分社会の生き方』
後藤雅知(史学科日本史学専修教授)分担執筆

多和田雅保・牧原成征編
2023年10月 吉川弘文館
「房総の山稼ぎと江戸」という論文を掲載。近世後期の岩槻藩房総分領における薪炭生産のありよう、および林産物の江戸への輸送経路について紹介した。この地域では18世紀の終わりに岩槻藩が領内での真木生産を優先して百姓による炭焼きを禁止したが、百姓たちがより大きな収入に結びつく炭焼きの再開を強く求めたことで、19世紀には林産物生産の主軸が炭焼きへとシフトしたこと、岩槻藩も炭焼きを重視して、炭荷物の輸送経路をより安全で安定的な外房経由のルートに変更したことなどを紹介した。
『アマゾン五〇〇年——植民と開発をめぐる相剋』
丸山浩明(史学科超域文化学専修教授)単著

2023年8月 岩波新書
新大陸「発見」以降、世界中の人や物が頻繁に往来する結節点となってきたアマゾン。そこは、「人跡未踏の静謐な秘境」ではなく、欧米各国や日本など、各時代の列強の欲望が交錯し、激しい覇権争いが繰り広げられる開発のフロンティアであり続けてきた。そのグローバルな移植民の歴史を俯瞰し、従来のイメージを大きく覆す。
『戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む』
上田信(史学科世界史学専修特別専任教授)単著

2023年7月 講談社
16世紀半ば、戦国時代の日本をルポルタージュした中国人がいた。その後すっかり忘れ去られていた貴重な記録『日本一鑑』には、いったい何が書かれているのか。明清時代の中国を、ユーラシアの陸と海から大きな視点でとらえた著作で高く評価される著者が、日本の戦国時代を描き直す意欲作。
1523年、戦国日本の有力者、大内氏と細川氏が日明貿易をめぐって争い、中国の港町を争乱に巻き込んだ「寧波事件」は明朝に衝撃を与えた。密貿易と倭寇への対策に悩む朝廷の命を受けて、日本の調査のために海を渡ったのが、『日本一鑑』の著者、鄭舜功である。「凶暴、野蛮な倭人」という従来の先入観にとらわれない鄭舜功の視線は日本の武士から庶民におよぶ。生活習慣や日本刀の精神性、切腹の作法、男女の人口比など多岐にわたって、凶暴なるも礼節を重んじ、秩序ある日本社会を描いている。
また、日本さらに畿内への詳細な航路の記録は、当時の日本の政治・軍事状況を映し出す。九州の東西どちらを通るのか、瀬戸内航路か太平洋航路か——。しかし、大きな成果をあげて帰国した鄭舜功には、過酷な運命が待っていたのだった。
本書によって、日本の戦国時代は、応仁の乱から関ヶ原の合戦へという「陸の物語」ではなく、実は日本からの銀の輸出と海外からの硝石・鉛の輸入を主軸とする「海の物語」であったというイメージが、新たに像を結んでくるだろう。
『御成敗式目 鎌倉武士の法と生活』
佐藤雄基(史学科日本史学専修教授)単著

2023年7月 中公新書
一般書としては初めての単著です。「御成敗式目」は、一二三二年、鎌倉幕府三代執権の北条泰時により制定された法典で、初の武家法として名高いのですが、有名なわりにその内容は十分に知られていません。この本では、(1)どのような時代背景のもとで生まれ、(2)どのような内容で、(3)そしてどのように読まれ、中世社会の中で広く知られるようになり、(4)後世に受容されていくのかを解説しています。教科書などでは一二三二年の制定という「点」で理解されがちですが、この本では現在の受容まで視野に入れて、長い時間軸の「線」としてこの法の生成と受容を説明した点が特徴です(この点は、ちょっと実験的な試みだと思っています)。こうした工夫をすることで、読者にとって「歴史とは何か」を考えるきっかけとなり、歴史学という学問への入門になればよいなと思って書きました。法というとお堅いイメージがありますが、社会と歴史のリアルな動きが見えてくる面白い素材だということが読者に伝わってほしいと思っています。

2022年

『「いま」を考えるアメリカ史』
松原宏之(史学科超域文化学専修教授)共編著

藤永康政・松原宏之共編著
2022年9月 ミネルヴァ書房
「いま」のアメリカを形づくったものは何か。歴史の源流を遡り、その根源を探るとともに、人種や消費などのトピックからも追究。現代のアメリカ社会を多角的にとらえ直し、社会問題の処方箋を考えるテキスト。
◎「いま」のアメリカを捉えるために歴史をたどる
◎消費文化、民主主義、ジェンダー、マイノリティ、ポピュラー・ミュージック等、アメリカを読み解くためのテーマ設定
◎現代のアメリカ社会が抱える問題の処方箋を考える
『Communicating Papal Authority in the Middle Ages』
小澤実(史学科世界史学専修教授)共編著

M. Ozawa, Th M. Smith, and G. Strack (ed.),
2022年 Routledge
西洋中世の普遍権力であるローマ教皇庁による、フランク王国、イングランド、北欧、ビザンツ帝国、モンゴル帝国などとの間でのコミュニケーションのあり方を、多くの事例とともに検討した論集。立教SFRで助成を受けて本学で開催された国際会議の成果報告である。

2021年

『中国の歴史9 海と帝国——明清時代』
上田信(史学科世界史学専修特別専任教授)単著

2021年3月 講談社
学術文庫版「中国の歴史・全12巻」の第6回配本・第9巻は、明朝と清朝、ふたつの大帝国を1冊で通観する。出口治明氏(立命館アジア太平洋大学学長)が「名著ぞろいのシリーズの中で、まさに名著中の名著。内藤湖南に匹敵するのでは」とイチオシする話題作。
2003年3月、雲南省昆明の空港で、著者は不思議な一行に出会う。聞けば彼らは、台湾の港町・花蓮から、海の女神「媽祖」を奉じて、雲南省の麗江を訪ねた帰路だという。台湾の海の女神が、なぜ中国内陸の観光地を?——この謎から、海に囲まれた東ユーラシア500年の歴史が浮かび上がってくる。
14世紀半ば、朱元璋が開いた明朝は、万里の長城の修築や、鄭和の南海遠征など、古代的な性格の色濃い王朝だった。それに対し、16世紀に登場したヌルハチに始まる清朝は、少数の満洲族のもとでさまざまな人々が闊達に生き、近代的な活気に満ちていた。古代的な明代から、近代的な清代への跳躍はなぜ可能だったのか。それを解明するには、「海に向かい合う中国」を見ることで、従来の中国史の枠を超える必要がある。倭寇と朝貢、銀の流通と世界経済、清朝皇帝とチベット仏教。地球規模の視点から、ふたつの帝国を描き出す。そして19世紀、アヘン戦争や太平天国を経験し、中国社会は近代への脱皮に備えて大きく変化していく。〔原本:2005年8月、講談社刊〕

2020年

『性暴力被害を聴く——「慰安婦」から現代の性搾取へ』
小野沢あかね(史学科日本史学専修教授)共編著

金富子・小野沢あかね編著
2020年9月 岩波書店
性暴力を語ることは、被害者の心身に大きな苦痛を与え、困難を極める。そのため、韓国での証言が端緒となり、各国で行われた「慰安婦」の聞き取り活動は画期的なものであった。負の体験の聞き取りが歴史研究へもたらした意義と、広く現代史におけるオーラルヒストリーの形成を論じ、現代日本の性搾取との関連性をも明示する。
『人口の中国史——先史時代から19世紀まで』
上田信(史学科世界史学専修特別専任教授)単著

2020年8月 岩波書店
ヒトの生態から読み解く、四千年の歴史と現在。一八世紀の人口爆発は、なぜ起こり、何をもたらしたか。一八世紀に突如起こった人口の爆発的増加は、中国を知るための鍵である。それはなぜ、どのように起き、今まで続いてきたのか。文明の始源からの歴史がもたらしたさまざまな条件と、大変化のメカニズムを明らかにし、現在、そして未来までも人口史から読み解く。ヒトの生態を羅針盤にゆく、中国四千年のタイム・トラベル。
『明治が歴史になったとき——史学史としての大久保利謙』
佐藤雄基(史学科日本史学専修教授)編著

2020年6月 勉誠社
立教大学図書館に個人文庫として、史学科における最初の日本近代史担当教員であった大久保利謙(1900-1995)の蔵書がほかんされています。いわゆる「大久保利謙文庫」です。その調査をきっかけにして開催したシンポジウムをもとにした論集です。歴史家が「明治時代」を新たに学問の対象としたとき、そこではどのような営為がおこなわれていたのか。近代の政治家、官僚、軍人などの個人文書を収集・公開する国立国会図書館憲政資料室の創設に関わり、数々の史料編纂等、研究のための史料環境の整備に尽力した、日本近代史研究の先駆者である大久保利謙。その足跡を史学史・史料論・蔵書論の観点を交え検証し、日本近代史研究の誕生の瞬間を描き出した一冊です。

2019年

『アフリカで学ぶ文化人類学——民族誌がひらく世界』
橋本栄莉(史学科超域文化学専修教授)共編著

2019年11月 昭和堂
〈フロンティア〉からあらためて問う、人間の生の可能性。不朽の民族誌と最新の研究成果に学び、アフリカの〈いま〉を考える。文化人類学を学ぶ人にとってもアフリカを学ぶ人にとっても最適の入門書。

2018年

『エ・クウォス——南スーダン・ヌエル社会における予言と受難の民族誌』
橋本栄莉(史学科超域文化学専修教授)単著

2018年2月 九州大学出版会
本書は、スーダン地域における「予言者」の歴史的生成過程を明らかにするとともに、ヌエル社会において語り継がれてきた予言が、人びとの紛争経験や出来事をどのように形づくってきたのかを、約19か月の現地調査に基づき明らかにしようとするものである。19世紀に存在したヌエルの予言者ングンデンによってつくられた予言の歌は、現在に至るまで歌い継がれ、ヌエルの人びとが苦難の経験を語るすべとなってきた。「エ・クウォス」とは、ヌエルの人びとがさまざまな出来事に直面した際に「予言が成就した」という意味合いで用いる表現である。本書は、内戦、平和構築、悲願の国家独立、そして再び内戦へと突入する南スーダンの動乱の時代に、予言者への信念と疑念の間で揺れるヌエルの人びとが、さまざまな想像力とともに不幸や不条理を語る技法を探究したものである。

2014年

『「慰安婦」問題を/から考える——軍事性暴力と日常世界——』
小野沢あかね(史学科日本史学専修教授)分担執筆

歴史学研究会・日本史研究会編
2014年12月 岩波書店
一九九一年の金学順さんの告発から二〇余年、「慰安婦」の存在を否定し問題の矮小化をはかる動きが再び猖獗を極めている。強制性の有無をめぐる恣意的な議論に対し様々な角度から論駁するともに、「慰安婦」制度が戦時下の極限状況ではなく、日本や植民地における日常世界の中から作りだされたものであることを歴史的に検証する。

2013年

『虫喰う近代——1910年代社会衛生運動とアメリカの政治文化』
松原宏之(史学科超域文化学専修教授)単著

2013年9月 ナカニシヤ出版
20世紀初頭の反売買春運動の中、科学者・ソーシャルワーカー・財界人らによる社会改革の主導権争いが、現代アメリカの基層に刻みつけた痕跡とは。
アメリカにおける反売買春の源を知る上でも必読の政治文化史研究。

2011年

『パンタナール——南米大湿原の豊饒と脆弱』
丸山浩明(史学科超域文化学専修教授)編著

2011年9月 海青社
パンタナールは、1993年にラムサール条約の登録湿地、2000年に世界自然遺産に登録された、世界最大級の熱帯低層湿原である。本書は、おもに地理学を専門とする研究者たちが、パンタナールの環境動態や住民の生活・文化に関して約10年にわたりフィールドワークを行い、その成果をとりまとめたわが国で最初のパンタナールに関する学術書である。

2010年

『ブラジル日本移民——百年の軌跡』
丸山浩明(史学科超域文化学専修教授)編著

2010年7月 明石書店
本書は2007~2008年度に立教大学ラテンアメリカ研究所が立教大学学術推進特別重点資金(立教SFR)の研究助成を受けて行った単独プロジェクト研究「ブラジルにおける日系移民資料の分析・保存とデジタルアーカイブ構築—移民百年の軌跡」と、当該プロジェクトの一環として2008年10月に開催された国際会議「ブラジル日本人移民百年の軌跡」の成果をまとめた学際的な研究書である。2011年に地理空間学会学会賞(学術賞)受賞。
『近代日本社会と公娼制度——民衆史と国際関係史の視点から——』
小野沢あかね(史学科日本史学専修教授)単著

2010年4月 吉川弘文館
男たちの放蕩や「家」の没落を招いた遊廓。女たちの勤倹貯蓄精神や修養意欲は、どのように公娼制度批判へ発展したのか。近代日本社会における公娼制度批判の民衆史的背景を探る。また、東アジアに拡大した日本の公娼制度政策の特徴を、国際連盟による婦女売買禁止の活動などをふまえ国際関係史的視点から解明。日本軍「慰安婦」問題の歴史的前提にも言及。

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