2020/04/29 (WED)

4月30日からのオンライン授業の開始にあたり、西原廉太 文学研究科委員長、ならびにゾンターク・ミラ キリスト教学研究科委員長からのメッセージを掲載します。ぜひご覧ください。
(リニューアル前のホームページから再掲)

OBJECTIVE.


文学研究科・キリスト教学研究科のみなさんへ — オンライン授業の開始にあたって —

文学研究科委員長 西原廉太

キリスト教学研究科委員長 ゾンターク・ミラ

 いよいよ明日、4 月 30 日(木)から立教大学の春学期授業がオンラインで始まります。すでに、院生のみなさんは、大学ならびに各専攻からさまざまな受講のための案内・諸連絡を受け取られて、授業の備えをしてくださっていることと思います。

「オンライン授業の受講に関するお知らせ」については以下のサイトにすべてまとめられていますので、今一度、確認しておいてください。
大学、研究科からのみなさんへの諸連絡は基本的にすべて「~@rikkyo.ac.jp」のメールアドレス宛てにメールにて行われますので、メールチェックは小まめにしてください。

また、研究科の「年間スケジュール」「履修の手引き」「試験・成績案内」「アカデミックアドバイザー」「教員一覧(メールアドレス)」等の情報は、すべて以下の、教務臨時掲示板の<R Guide>に集約されていますので、何か不明な点があれば、まずはこのサイトで確かめてください。
 学びの上で困ったことなどがありましたら、一人で悩むことなく、所属の専攻の教員に遠慮なく相談してください。

 ことに、オンライン授業を受講するにあたって、パソコンなどがない方には、ノートパソコンの貸し出しのサービスがあります。有償ですが、格安の条件で借りることが可能です。ご希望の方は、「立教時間」の「お知らせ」欄、4 月 23 日付け、「ステイホームの学生支援-大学・校友会補助付きノートパソコンの有償貸し出しについて」を開いていただき、申し込んでください。ネット環境を構築することが困難な学生を対象に、ルーターの貸し出しも近々、開始されますので、「立教時間」でチェックしてください。

 また、オンライン受講を含めた学修環境を整え、安心して授業を受けられるための措置として、立教大学の全学生(院生も含む)に対して一律 5 万円の「学修環境整備奨学金」を給付することが決まりました。具体的な給付方法等については追ってお知らせが行く予定です。さらに、この奨学金とは別に、新型コロナウイルス感染症に係る影響によって家計急変した方への支援も検討中です。「立教時間」に「奨学金相談フォーム」が設けられていますので、そちらを利用してください。
 さて、明日からいよいよ、私たちの新たな学びへの挑戦が始まります。今般の新型コロナウイルス感染症の驚異的な蔓延という、数か月前までは世界中の誰一人として予想していなかった異常事態に対する緊急的対応として、止む無く開始するオンライン授業ですので、多くの院生のみなさんは戸惑い、不安に思われていることと思います。大切な図書館にも、今のところ入ることができず、私たち教職員にとっても、もちろん未知の経験なので、みなさんと同じ不安を共有しています。私たち教職員は、明日の授業開始を目標に、この数週間、連日連夜の準備を進めてきました。それでも、実際に授業が始まってみると、さまざまなトラブルが発生することと思います。院生のみなさんにも、「こうした方がより良くなるのではないか」、「このあたりをもっと親切にガイドして欲しい」など、遠慮せずに、積極的に意見を出していただきたいのです。そのようにして、院生のみなさんと、私たち教職員で、共に協働しながら、より質の高い、オンラインでの学びを創り上げていきたいと願っています。

 立教大学大学院文学研究科・キリスト教学研究科には、キリスト教学、日本文学、英米文学、ドイツ文学、フランス文学、史学、超域文化学、教育学、比較文明学、それぞれの学問領域を代表する一線級の研究者が揃っています。つまり、時代を超え、空間を超えて真理を探究することのできる<場>が私たちの研究科です。

 ここで重要なことは、「知」というものは、つねに、時間を超え、空間を超えた「遠隔」によって取り扱われてきた、という事実です。私たちが同じ時間、同じ空間で、史資料などを取り扱えるのは、実は、きわめて限定された出来事でしかありません。人類の「知」は、口頭伝承、文字・絵画伝承、印刷媒体、音声・映像媒体、そして、デジタルメディアといったツールによって、古代から現代、そして未来へと時間を超えて、また、グローバルに空間を超えて、伝えられ、伝えていくものなのです。そういう意味では、明日からの私たちの学びとは、「オンライン」というツールを使って、いかにして、私たちが人類の「知」を共有し、理解し、解釈し、また、それを伝承していくことができるのか、という壮大な挑戦でもあります。

 もう一つの私たちの明日からのチャレンジは、この新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックという世界史的事態に直面しながら学ぶ、私たちの責任を確認することでもあります。私たちが大切にする「リベラルアーツ」の本来的意味は、以下の内容に集約することができます。それは、①人間が生きていく上で本当に必要な「智」、②他者の痛みに共感し、共苦できる「感性」、③世界史的、人類史的な「世界観」と歴史認識、④多文化世界に生きることのできる「国際性」、です。

 現在、新型コロナウイルス感染症の蔓延を防ぐために、ほとんどすべての国境は閉ざされてしまっています。しかし、だからこそ、みなさんは、今、大きな困難の中にある世界を顧みてください。この先にある未来に思いを馳せてください。

 病に苦しむ人に必要な医療が施されることを。感染の終息に向けて取り組むすべての人、医療従事者、病者に寄り添う人の健康が守られることを。亡くなった人の魂の平安と、残された家族に慰めがあることを。不安と混乱に直面しているすべての人に、支援の手が差し伸べられることを。これらのことを心から願い、かつ担うことのできる、「本物のリベラルアーツ」の学びを、明日から、共に始めましょう。

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