文学科ドイツ文学専修 卒業生へのメッセージ

文学科ドイツ文学専修教員から、卒業する皆さまへのメッセージです。

前田良三 教授

 卒業おめでとうございます。コロナ禍の中の卒業となりました。これからの社会はこれまで「当たり前」だったことが次々にそうでは無くなってゆくでしょう。この1年の、そして立教での経験を大切にして、明るく勇気を持って変化に向かってください。みなさんに幸多かれと祈ります。

井出万秀 教授

 卒業おめでとうございます。昨年度にひきつづき,コロナ禍で顔をあわせることができないままでの卒業になってしまいましたが,今後のみなさんのご活躍を祈っております。
 ドイツ語に gescheit という形容詞があります。「賢い」という日本語に相当します。もともとは scheiden (分ける)という意味の動詞から派生され,形容詞として独立したものです。すでに中世に派生された古い語彙です。ドイツ語で審判員のことを Schiedsrichter(略して Schiri)と言い,やはりここにも scheiden という動詞が入っています。このは背後にあるドイツ語流の意識は,これとこれは同じ,これとこれは違う,という区別ができることが有能なことであり,円満・平和に結びつく,というものです。こどもの積み木おもちゃに,四角,三角,十字,星形,丸などの形をした積み木を,その形の穴に入れるものがあります。積み木ならば目に見えて簡単かもしれませんが,幼児期のこのおもちゃが象徴するように,人間の認知・知性の基本は,多分,いつになってもどこでも,同じなのか違うのか,を見極めることに尽きるのでないでしょうか。きちんと見分けることができることがドイツ語では gescheit と言われるわけです。大学で学んだことが異同の見極めに役立つことを期待してます。さらに大切なことは,異なっているものを排除するのではなく,どう共存していくか,工夫・実践していくことだと思います。恐縮ですが,ここでもうひとつドイツ語を出させて下さい。ドイツ語の teilen という動詞も「分ける」という意味をもっています。が,この動詞は「分ける」以上に,「シェアする」「分かち合う」という意味も持ちます。異同で分けられたとしてもそれを分かち合う,という思想です。異同を teilen できるように gescheit であって欲しい。これを皆さんに贈ることばとさせていただきます。

坂本貴志 教授

 卒業おめでとうございます。旅立ちにあたって不安もたくさんあるでしょうけれども、大学で学んで新しく得た知性と感性とを信じて、そして他者への思いやりを忘れずに進んでいって下さい。

古矢晋一 准教授

 ご卒業おめでとうございます。
 最後の1年間はほとんどオンラインでしかお会いすることができませんでしたが、皆さんと過ごした時間は私にとっても大変良い思い出となりました。この1年間は皆さんにとっても本当に大変な年だったと思います。これからの人生もいつも順風満帆ではないかもしれません。しかしそういう時こそ、立教大学のドイツ文学専修で学んだことが少しでも生きる上での糧になることを願っています。それぞれの新天地でのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

松原文 助教

 卒業される皆さま、おめでとうございます。最後の一年間キャンパスに通うことができず、初めての授業形態に苦労されたと思います。一方で、オンラインの可能性の模索は、これまで気づかなかった五感を自由に使えるオンサイトのコミュニケ—ションの特質に、気づくきっかけとなったことでしょう。卒業・進学後の皆さんは、様々な文化や世代の人の異なる価値観に出会われるでしょう。また、ジェンダーギャップを実感する場面もあるかもしれません。今回のような感染症や大きな自然災害はもちろんですが、私たちはじつは日常的にも未知の事態にたいして手探りで決断を下し、自分の行動を決めていかなくてはなりません。判断の基準のようなものは存在せず、周囲の人と議論しながらも、最終的には自分の責任で進む道を選ぶことになります。そのような時、ぜひ文学部の学びで身につけた、既存の考え方に寄りかからずに原典を自分で読んでじっくり考えるという主体的な姿勢を思い出して下さい。皆さまの今後のご活躍を心からお祈りいたします。

ヴァイス・ダーヴィッド 助教

 卒業おめでとうございます!最後の学年はコロナ禍のため色々と大変だったと思いますが、皆さんがこれを見事に乗り越えたし、皆さんがその経験を活かして社会で活躍できるように祈っています。