文学科文芸・思想専修 卒業生へのメッセージ

文学科文芸・思想専修教員から、卒業する皆さまへのメッセージです。

文芸・思想専修を卒業するみなさん

 この度はご卒業おめでとうございます。
 例年であれば卒業式の日にみなさんを前に挨拶するところですが、今年は残念ながらそれがかないません。そこで専修から、みなさんに向けたメッセージを掲載したいと思います。
 日本では大学を卒業して社会人になるとともに、大学の学問まで卒業してしまうケースが見られます。しかし、文系の学問はある意味で卒業後にこそ役立つものです。一時的な流行に右往左往するだけでは、社会や企業を真に良くすることはできません。歴史的な時間の積み重ねを意識してはじめて「今」を多面的・多角的に検証し、新たな道を開いていけるものだと思います。
 文芸にせよ、思想にせよ、生涯をかけて付き合っていくことのできる人類の叡智です。文学部はその叡智の門です。学生の間に買い集めた本や雑誌は、きっとこれからもみなさんの価値判断の土台になっていくでしょう。つまり、みなさん自身を唯一無二の《作品》へと作り上げていく、その地盤になってくれるはずです。そして、その創造の旅は終わることはありません。自己の精神を本当の意味で鍛え、支えてくれる文学や哲学を、これからも探し続けてほしいと思います。
 大学生活はもう終わりですが、今後困難に直面したときにこそ、さまざまな作品を読み解き、言葉への鋭敏さを養ってきた文芸思想での経験を思い出してください。みなさんの人生が輝かしく、希望に満ちたものになることを、心から祈ります。

文芸・思想専修 専任教員一同